症状
寝違い
寝違い
寝違いとは?
朝起きたときに首が痛くて動かせない、あるいは回すと強い痛みが出るという経験はありませんか?これはいわゆる「寝違い」と呼ばれる症状で、多くの人が一度は経験したことがあるかもしれません。寝違いは、睡眠中の不自然な姿勢や首や肩の筋肉疲労、冷えが原因となり、首の筋肉や靭帯が炎症を起こすことで発生します。しかし、長期間続く痛みや、神経に関連する症状が現れる場合には、頚椎ヘルニアなどの重篤な問題が隠れている可能性もあるため、注意が必要です【1】。
寝違いの原因と注意が必要な症状
寝違いの主な原因には次のような要因が挙げられますが、症状が悪化する場合は別の原因も考慮する必要があります:
不自然な睡眠姿勢
長時間、首が無理な角度で固定されていると、筋肉が圧迫され、血流が悪くなり炎症が生じることがあります。
筋肉の疲労や硬直
長時間のデスクワークや不良姿勢、運動不足が続くと、筋肉が緊張して硬直しやすくなり、寝違いが発生しやすくなります【2】。
冷え
特に冬場や冷房の効いた室内で首が冷えると、筋肉がこわばり、寝違いが発生しやすくなります。
ただし、次のような症状がある場合は、頚椎ヘルニアや神経の圧迫が原因の可能性もあります。これらが確認される場合は、専門的な医療機関での診断をお勧めします。
痛みが数日経過しても改善しない
手や腕のしびれ、筋力の低下を感じる
肩や背中、胸まで痛みが広がる
接骨院での治療方法
当院では、患者さんの症状を詳しく評価し、寝違いによる痛みの緩和と再発予防を行います。必要に応じて頚椎ヘルニアなどの重篤な疾患を除外しつつ、適切な治療法を提供します。
エコーによる評価
首の筋肉や靭帯の状態を超音波エコーで確認し、痛みの原因を特定します。エコーによる評価は、頚椎ヘルニアが疑われる場合にも有用です。
温熱療法や電気治療
筋肉を温めることで血行を促進し、電気治療で筋肉の緊張を和らげることにより、痛みの軽減と可動域の改善を図ります【3】。
手技療法
筋肉のこわばりを解消し、血行を促進することで、寝違いによる痛みを早期に和らげる治療を行っています。
自宅でできるセルフケアと予防法
寝違いが起きたときは、次のセルフケアが効果的です:
患部を温める:温湿布や湯たんぽで首を温めると、筋肉のこわばりが和らぎます。ただし、強い炎症がある場合は冷やすこともありますが、痛みが長引く際は医療機関での確認が必要です【4】。
無理に動かさない:痛みがある間は、無理に首を動かさず、安静に過ごしましょう。
正しい姿勢を保つ:日頃から姿勢に気をつけ、デスクワーク時には首に負担がかからないように工夫することが予防に役立ちます。
頚椎ヘルニアとの違いに注意
寝違いは数日で回復することが多いですが、症状が長引く場合や、痛みが広がってくる場合、また手や腕にしびれや違和感がある場合は、頚椎ヘルニアの可能性も否定できません。頚椎ヘルニアは椎間板が圧迫されて神経に影響を与えることで、寝違いに似た首の痛みや動かしづらさを引き起こします。これらの症状が見られる場合は、早めに専門機関での診断を受けることをおすすめします。
当院でのサポートについて
寝違いの症状や頻度、また痛みの広がり具合に応じて、適切な治療と予防策の提案を行います。重篤な状態ではなくても、早期にケアを行うことで快適な生活に戻れるようお手伝いします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
参考文献
Wong, C. K., & Mak, C. H. (2006). The incidence and risk factors of neck pain in sleep. Pain Research and Management, 11(1), 42–47.
Silva, A. G., & Punt, T. D. (2010). The association between neck pain and forward head posture. Physical Therapy in Sport, 11(4), 166-171.
Abdelhalim, A., & Hanafy, A. (2019). Effectiveness of transcutaneous electrical nerve stimulation (TENS) in neck pain management. Journal of Pain Research, 12, 1299-1306.
Chen, P. et al. (2015). Heat and cold applications in pain management: A review. Journal of Pain and Symptom Management, 49(3), 589–599.