スポーツ現場での怪我について〜頭部外傷編〜

現在沖縄県では、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により
部活動やスポーツ活動が制限されていますが、
少しずつ再開する人々や部活動も見られています。

スポーツ現場では、様々な怪我(外傷)が発生する場面が多くあると思います。
もし起こってしまった場合、速やかに対応をしなければなりません。

そこで今回、スポーツ活動にて起こり得る『頭部外傷』についてご紹介させて頂きます。

〜内容〜

・頭部外傷

・スポーツ脳震盪について

・スポーツ現場でのSRCの評価(スポーツ関連脳震盪の評価)

SCATを用いたSRCの評価

<頭部外傷>

スポーツ関連での外傷死亡数に占める頭部外傷が原因となる事例は
半数以上を占めていると言われており、頭部外傷に対しての対応は重要になります。
ですが、外傷受傷時の直達(直接)作用による『一次性脳損傷』に対する治療は根本的には
困難とされており、その為、受傷後のさまざまな要因により生じる『二次性脳損傷』
予防・軽減することが大切になります。

『二次性脳損傷』の要因としては、急性硬膜下血腫などの頭蓋内因子と出血性ショックや
低血圧による頭蓋外因子に分かれます。


スポーツ関連頭部外傷は頭部・外傷の治療はもちろん、
外傷に伴う気道・呼吸・循環を安定させることが肝心になります。

また、頭部外傷として脳震盪の評価も重要になります。

脳震盪の評価は、

The sports concussion assessment tool(SCAT)

を用いた

スポーツ関連脳震盪(sports-related concussion:SRC)

の評価を実施する必要があります。

<スポーツ関連脳震盪>

スポーツ関連脳震盪(SRC)の定義としては、
『生体学的作用により引き起こされる外傷性脳震盪』としており、
SRCの特徴としては、4つあります。

①頭を打っていなくても脳震盪になる

頭部・顔面・頸部(首)など身体のどこかに加えられた衝撃が
頭部に伝達することによって生じます。

②脳震盪の症状は、通常、受傷後すぐに発症し短時間で回復するが、
時間をかけて進行(悪化)する場合もある

急性神経学的機能障害(健忘・バランス感覚の障害・混乱・情緒不安定・認知機能障害など)が
早期に生じ、通常は時間と共に自然回復します。しかし、症例(症状)によっては、
数分〜数時間かけて症状が進行することがあり、回復に長時間かかる場合があります。

③画像検査では診断出来ない

急性期の症状は、脳の機能障害によって引き起こされたものであり、
一般的な画像検査において異常を認めません。
ですが、異常がないと言って脳震盪を否定する事は出来ません。

④SRCでは、一瞬〜数分に及ぶ意識消失を伴う事が多いが、
必ずしも必発しない

脳震盪は様々な程度の症状をきたし、意識障害は伴ったり伴わなかったりします。
症状や認知機能は通常、時間とともに軽快しますが、症状が長引く事があります。

スポーツ現場において重症な事は、意識消失を伴わないスポーツ関連脳震盪
(sports-related concussion:SRC)が多数を占めると言われています。

<スポーツ現場でのSRCの評価>

スポーツ関連脳震盪(sports-related concussion:SRC)の症状は多数あり、
それぞれ原因となる部位が推察されていると言われていますが、
全容は明らかではないとも言われています。
そこで、スポーツ関連脳震盪(sports-related concussion:SRC)を疑う
症状についてご紹介します。

・身体面の症状(例:頭痛)や認知面の症状(例:霧の中にいるような感覚)、
感情面の症状(例:不安感)

・身体的な徴候(例:意識消失、健忘)

・平衡機能障害(例:歩行の不安定性)

・行動の変化(例:易刺激性)

・認知機能障害(例:反応時間の遅延)

・睡眠障害(例:不眠)

この様な症状があれば、スポーツ関連脳震盪(SRC)を疑う必要があります。


SRC受傷後速やかに競技を中止しなかった場合、競技を速やかに中止した際と
比較して症状持続や最終的な競技復帰までの期間が延長することが知られています。

その為、SRCが疑われた段階で競技の継続を中止することが望ましいとされています。

SRCを疑われる場合は、一度SCAT5にて評価を行うことも大切です。

<SCATを用いたSRCの評価>

SCATとは、医師や専門の医療従事者によって『脳震盪を適切に評価する』為に
使用される標準化されたツールの事で、診断(評価)は、サイドラインではなく、
ロッカールームや医務室など落ち着いた環境で行うことが推奨されています。

https://www.jfa.jpより引用

SCAT5は、13歳以上の脳震盪を評価するために使われています。
その為、12歳以下は『Child SCAT5』を使用します。

また、脳震盪が発生した現場に必ずしも医療従事者がいるとは限りません。
医師や医療従事者が現場にいない場合は、『脳震盪を認識する為のツール(CRT5)』
使用することをオススメ致します。

(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター スポーツ現場における脳震盪への対策より引用)

SCATやCRTはあくまでも脳震盪を評価するツールの一つでしかありません。

SCATやCRTのみの結果で脳震盪の判断を行ってはなりません。
競技復帰への計画や競技復帰の判断は、専門医や医療従事者に
必ず相談するよう注意が必要です。

また、スポーツ現場にて脳震盪(頭部外傷)や外傷(ケガ)などを対応する為に
スポーツ救護ライセンスを取得することも大切だと考えます。

その一つとして『JSTEC』というスポーツ救護ライセンスがあります。
JSTECは、スポーツ指導者や救護等に関わる全ての方がスポーツ現場における
外傷(ケガ)をはじめ、内因性疾患(内科的)や心肺停止事案における適切な
初期対応を学ぶことを目的としたコースのことです。

私達、『宜野湾スポーツ接骨院』は
スポーツ現場にて事故や怪我などが起こった際すぐに対応が出来るよう
スタッフ全員がスポーツ救護ライセンス(JSTEC)を取得し、皆さんがスポーツを
安全に楽しく行えるようサポートを行っております。

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