先に結論
オスグッド病は太ももの前(大腿四頭筋)、シーバー病はふくらはぎとアキレス腱の硬さが、成長途中の骨の出っぱりを引っぱることで痛みが出やすくなります。小・中学生を1年間追った研究では、太ももの前の筋肉が硬い子ほどオスグッド病になりやすいという結果でした。ストレッチは痛みが強くならない範囲で毎日続け、運動量の調整と組み合わせることが大切です。
Q. オスグッド病・シーバー病におすすめのストレッチは?
A. オスグッド病には太ももの前と裏のストレッチ(タオルを使った大腿四頭筋ストレッチ・ジャックナイフストレッチ)、シーバー病にはふくらはぎのストレッチがおすすめです。
オスグッド病とシーバー病はどんなケガ?
どちらも成長期の子どもに起こる「骨端症(こったんしょう)」です。骨が伸びる途中の柔らかい部分に、筋肉や腱がくり返し引っぱる力がかかって痛みが出ます。
| オスグッド病 | シーバー病 | |
|---|---|---|
| 痛む場所 | 膝のお皿の下の骨の出っぱり(脛骨粗面) | かかとの後ろ・下 |
| 多い年齢 | 10〜15歳ごろ | 8〜12歳ごろ |
| 引っぱる筋肉 | 太ももの前(大腿四頭筋) | ふくらはぎ(アキレス腱)・足の裏 |
| 痛む動き | ボールを蹴る・ジャンプ・しゃがむ・正座 | 走る・ジャンプ・かかとをつく |
小・中学生の選手を1年間追った研究では、オスグッド病になった子は太ももの前の筋肉が硬く、膝を伸ばす力が強い傾向がありました【1】。成長期は骨が先に伸びて筋肉が追いつかず硬くなりやすいため、ストレッチで柔らかさを保つことが予防と痛みの軽減の両方につながります【2】。それぞれの原因や経過は「オスグッド」「シーバー病」のページでくわしく解説しています。
オスグッド病のストレッチ
1. 太ももの前のストレッチ(タオルを使う方法)

- 伸ばしたい脚を上にして横向きに寝ます。下の脚は軽く曲げて体を安定させます。
- 上の脚の足首にタオルをかけ、膝を曲げながらタオルを後ろへ引きます。
- 太ももの前が伸びるところで20〜30秒保ち、3回くり返します。
膝を強く曲げると膝の下の骨の出っぱりが引っぱられて痛むことがあります。タオルを使うと引く強さを調整しやすいので、痛みが強くならない位置で止めてください。腰を反らすと太ももが伸びないので、お腹に軽く力を入れて行います。
2. ジャックナイフストレッチ(太ももの裏)

- しゃがんで両手で足首の後ろをつかみ、胸を太ももにぴったりつけます。
- 胸と太ももを離さないまま、お尻を上げてゆっくり膝を伸ばします。
- 太ももの裏が伸びたところで5秒保ち、しゃがんだ姿勢に戻ります。5回くり返します。
太ももの裏が硬いと、走るときや蹴るときに太ももの前がより強く働いて膝の下を引っぱります。胸と太ももが離れるところまでしか膝は伸ばさなくてかまいません。
シーバー病のストレッチ
3. ふくらはぎのストレッチ(壁押し)

- 壁に両手をつき、伸ばしたい脚を後ろに大きく引きます。
- 後ろ脚の膝を伸ばし、つま先をまっすぐ前に向けます。
- かかとを床につけたまま前の膝を曲げ、ふくらはぎが伸びるところで20〜30秒保ちます。3回くり返します。

4. ふくらはぎの奥のストレッチ(膝を曲げる方法)
3と同じ姿勢から後ろ脚の膝を軽く曲げ、かかとを床につけたまま体重を後ろ脚に乗せます。ふくらはぎの奥にあるヒラメ筋が伸び、アキレス腱の付け根の張りがゆるみます。20〜30秒を3回。写真は「シンスプリント・SLJ病のストレッチ」で紹介しています。
シーバー病では、インソール(足底板)を使うと短い期間で痛みが軽くなったという報告もあります【3】。ストレッチと合わせて靴も見直してください。
ストレッチの回数と運動の続け方
- 回数:各ストレッチを1日2〜3回。お風呂上がりと練習の前後がおすすめです。
- 痛みの目安:ストレッチ中の痛みが強くなる場合は角度を浅くします。終わったあとに痛みが増すなら中止してください。
- 運動量の調整:痛みが強い時期は、ジャンプや全力のダッシュなど痛む動きを減らします。10〜14歳のオスグッド病の子どもを対象にした研究では、運動量の調整と筋力トレーニングを組み合わせた方法で12週間後に80%が「よくなった」と答え、1年後には69%が競技に戻っていました【4】。
- 完全に休む必要はない場合が多い:痛みの出ない範囲で体を動かし続けるほうが、筋力や柔軟性を落とさずに済みます。
膝の下やかかとの腫れ・熱っぽさ・夜の痛み・足を引きずるといった症状があるときは、骨端症以外のケガが隠れていることがあります。ストレッチを中止して状態を確かめてください。
ストレッチを一人で続けるのが難しいお子さんには、宜野湾スポーツ接骨院の子ども運動教室「セミトレ」で、柔道整復師が少人数で体の使い方とストレッチを指導しています。
よくある質問
Q. オスグッド病はストレッチだけでよくなりますか?
A. ストレッチは大切ですが、痛む動きを減らす運動量の調整と筋力トレーニングを組み合わせるほうが効果的です。痛みが強いときは練習の内容を見直してください。
Q. オスグッド病のとき部活は休むべきですか?
A. 完全に休む必要がない場合も多く、痛みの出ない範囲で続けられることがあります。ジャンプやダッシュなど痛む動きを減らし、痛みの強さを見ながら調整します。
Q. シーバー病のストレッチで注意することは?
A. かかとを床につけたまま行うことと、痛みが強くならない範囲で止めることです。かかとを打ちつける動きを減らし、クッション性のある靴を使うのもおすすめです。
Q. ストレッチは1日何回すればいいですか?
A. 1日2〜3回、お風呂上がりや練習の前後に行うのがおすすめです。毎日続けることが大切です。
Q. 成長が止まれば痛みはなくなりますか?
A. 多くは成長とともに落ち着きますが、骨の出っぱりが残ることがあります。痛みが長く続く場合は状態を確かめてください。
参考文献
- Nakase J, et al. Precise risk factors for Osgood-Schlatter disease. Arch Orthop Trauma Surg. 2015;135(9):1277-81.
- Ladenhauf HN, et al. Osgood-Schlatter disease: a 2020 update of a common knee condition in children. Curr Opin Pediatr. 2020;32(1):107-112.
- James AM, et al. Effectiveness of interventions in reducing pain and maintaining physical activity in children and adolescents with calcaneal apophysitis (Sever’s disease): a systematic review. J Foot Ankle Res. 2013;6(1):16.
- Rathleff MS, et al. Activity Modification and Knee Strengthening for Osgood-Schlatter Disease: A Prospective Cohort Study. Orthop J Sports Med. 2020;8(4):2325967120911106.
エクササイズ画像:提供 株式会社リハサク













