足首がグラグラする・ひねり癖の直し方|自宅でできる5段階のバランス練習とセルフチェック

足首グラグラ・ひねり癖の直し方 自宅でできる5段階の練習

先に結論

  • 足首のグラグラは靭帯のゆるみとバランス・踏ん張る力の低下の2つが重なって起こります
  • このうちバランスの力は練習で取り戻せます。8週間の自宅バランス練習で、1年間の再発が33%から22%に減った研究があります【1】
  • 練習は片足立ち→目を閉じる→不安定な場所→手を伸ばす→跳んで着地の5段階で進めます
  • 練習を続けてもくり返す時は、エコーで靭帯のゆるみを確かめます

足首がグラグラする2つの原因

段差や芝生で足首がカクッとなる・片足で立つとケガをした側だけグラグラする・小さなひねりでもすぐ腫れる。こうした状態が捻挫から長く続くものを慢性足関節不安定症(CAI)と呼びます。研究者の国際的な集まりは、最初の大きな捻挫から1年以上たっていて、くり返す捻挫や足首が抜ける感じがある状態をCAIの目安としています【2】。

原因どんな状態か練習で変えられるか
靭帯のゆるみ
(機械的不安定性)
靭帯が伸びたまま・切れたままで、骨どうしが本来より大きく動く靭帯の長さそのものは変わりにくい。テーピングや装具で補う
バランス・反応の低下
(機能的不安定性)
足首の位置を感じ取る力や、とっさに踏ん張る筋肉の反応が落ちている練習で取り戻せる部分

靭帯がゆるいから仕方ない、とあきらめる必要はありません。多くの方は2つが混ざった状態で、バランスと反応の力を取り戻すだけでもグラグラはかなり減らせます。初めての捻挫をした82人を1年間追った研究では、捻挫から2週間の時点で片足での着地やジャンプからの着地ができなかった人が、のちにCAIになりやすかったと報告されています【3】。捻挫ぐせの原因や中で起きていることは「捻挫ぐせ(足首の不安定症)」のページでくわしく解説しています。

まずはセルフチェック

まずは今の足首の状態を確かめましょう。次のうち当てはまるものが多いほど、不安定さが強い可能性があります。

  • 同じ足首を1年に何度もひねる
  • でこぼこ道・芝生・砂浜で足首が抜けそうになる
  • 片足立ちをすると、ケガをした側だけグラグラする
  • ジャンプの着地や切り返しが怖くて思い切りプレーできない
  • テーピングやサポーターをしないと不安で運動できない

点数で確かめたい方には、CAIT(キャイト)という30点満点の質問票があります。点数が低いほど不安定さが強く、もとの英語版の研究では27.5点を境目にすると不安定さのある人をおよそ8割見分けられたと報告されています【4】。当院のブログでは、質問に答えるだけで自動で点数が出るチェックを用意しています。

1分でできるセルフチェック
「足首ねんざ癖を発見 1分でできる簡単セルフチェック(自動採点リンク付き)」で今の点数を確かめてから練習を始めると、2〜4週間ごとに変化を比べられます。

ひねり癖の直し方:自宅でできる5段階の練習

ここからが本題です。下の5段階を、痛みが出ない範囲で順番に進めます。1日10〜15分・週3日以上を目安に、まずは8週間続けてみてください。研究でも8週間の自宅練習で再発が減っています【1】。左右両方行い、ケガをしていない側と比べると上達が分かりやすくなります。

片足立ちの良い姿勢と悪い姿勢の比較
STEP 1
片足立ち(目を開けて)
壁や机のそばで片足立ち。背すじを伸ばし腰を丸めない。30秒キープを3回
次へ進む目安:グラつかずに30秒立てる
目を閉じて片足立ちをする様子
STEP 2
片足立ち(目を閉じて)
同じ姿勢で目を閉じる。最初は10秒からでOK
次へ進む目安:目を閉じて30秒立てる
バランスパッドの上で片足立ちをする様子
STEP 3
不安定な場所で片足立ち
バランスパッドの上で片足立ち。家ではたたんだバスタオルや座布団でもOK
次へ進む目安:パッドの上で30秒立てる
片足で立ち反対の足を後ろへ伸ばすYバランス
STEP 4
片足で立って足を伸ばす
片足で立ち、反対の足を前・右後ろ・左後ろへ遠くまで伸ばす。各方向5回
次へ進む目安:伸ばしても軸足がぶれない
片足で着地するときに膝が内側に入らないよう注意する様子
STEP 5
跳んで片足で着地
その場で小さく跳んで片足で着地し、2秒止まる。慣れたら低い台から片足で着地
次へ進む目安:着地で膝が内に入らずピタッと止まれる

STEP1〜5の写真:提供 リハサク

あわせて行いたい:足首の外側を支える筋肉の練習

足首の外側には、内側にひねるのを防ぐ腓骨筋(ひこつきん)という筋肉があります。道具がなくてもできるのが、足を組んで行う方法です。鍛えたい足を下にして足を組み、下の足は外へ・上の足は内へ押し合って、足首が動かないように5秒間力を入れます。5回くり返しましょう。慣れてきたら、足の外側にゴムチューブをかけて小指側を外へ持ち上げる運動や、かかとを上げ下げするつま先立ち(カーフレイズ)もおすすめです。

足を組んで足首の外側に5秒間力を入れる腓骨筋の運動
足を組み、足首が動かないように外側へ5秒間力を入れます(提供:リハサク)

なぜバランス練習で直るのか

捻挫のあとは、足首の位置を感じ取るセンサーや、とっさに踏ん張る筋肉の反応が鈍くなります。バランス練習はこのセンサーと反応をくり返し使うことで、足首が傾いた瞬間に体が自然に立て直せるようにする練習です。522人の運動選手を対象にした研究では、8週間の自宅でのバランス練習で再発のリスクが35%下がり、9人が練習すると1人の再発を防げる計算でした【1】。

練習を安全に続けるコツ

  • 痛みや腫れがある時期には行いません。ひねった直後は保護と安静が先です(足首の捻挫は何日で良くなる?)
  • 転びそうになっても手をつける場所(壁・机のそば)で行いましょう
  • 靴を履いて行う → 裸足で行う、の順に難しくなります
  • テーピングやサポーターは、練習で力が戻るまでの補助として使います。オランダの診療ガイドラインでも、再発予防に運動療法と足首を支える装具の両方がすすめられています【5】
  • 練習中や練習のあとに痛みや腫れが強くなる時は中止して、ご相談ください

練習だけで足りない時:エコーで靭帯を確かめる

練習を続けてもひねる回数が減らない・ちょっとしたことで強く腫れる・足首の奥が痛む時は、靭帯のゆるみが大きい場合や、別のケガが隠れている場合があります。

  • エコーで靭帯の状態を確かめます:前距腓靭帯の厚みや連続性を見て、足首を前に引き出したときに骨がどれくらい動くかを画面で確かめます
  • 長引く痛みは別のケガの可能性も:軟骨の傷みや腓骨筋腱のケガなどが関わることがあります(捻挫のあと足首の痛みが長引く原因)
  • 手術の相談が必要な時も:運動療法を続けても改善しない強い不安定性では、連携する整形外科へおつなぎします
またひねってしまった時は
骨折が疑われる時は、当院でエコーで確かめて応急の固定をしたうえで、連携する整形外科へその日のうちにおつなぎします。皮膚が切れて出血している・足にはっきりしたしびれがある時は、まずお電話ください。その場で受診先をご案内します。

当院での流れ

  1. 問診:これまでのひねった回数・どんな場面でグラつくか・競技や仕事の内容をうかがいます
  2. 評価:CAITの点数・片足立ち・ジャンプの着地・足首の動く範囲を確かめます
  3. エコー:靭帯と周りの組織を観察し、ゆるみの程度を画面でお見せします
  4. 運動療法:この記事の5段階を、その方の段階と競技に合わせて調整して一緒に行います
  5. 再評価:2〜4週間ごとに点数とバランスを測り直し、変化を確かめます
足首のグラグラ・ひねり癖で困ったら、まず宜野湾スポーツ接骨院へ
☎ 098-975-9074/平日21時まで・土日祝も受付

よくある質問

Q. ひねり癖は直りますか?
A. ゆるんだ靭帯の長さそのものは変わりにくいものの、足首を感じ取る力やバランス・踏ん張る力は練習で取り戻せます。8週間の自宅バランス練習で再発が33%から22%に減った研究があります。

Q. どれくらい続ければいいですか?
A. 1日10〜15分・週3日以上を目安に、まずは8週間続けてください。研究でも8週間の練習で再発が減っています。

Q. サポーターをずっと付けていても大丈夫ですか?
A. 練習で力が戻るまでの補助として使うのがおすすめです。運動療法と組み合わせることで再発予防の効果が期待できます。

Q. 昔の捻挫でも練習は効果がありますか?
A. 何年も前の捻挫でも、バランスや反応の力は練習で変えられます。まずはセルフチェックで今の状態を確かめてから始めましょう。

Q. 子どもでもできますか?
A. できます。片足立ちや着地の練習は小学生でも行えます。成長期は骨のケガが隠れていることもあるため、痛みがある時は先にご相談ください。

Q. 接骨院では何をしてもらえますか?
A. エコーで靭帯の状態を確かめ、その方の段階と競技に合わせた運動を一緒に行います。2〜4週間ごとに点数とバランスを測り直して変化を確かめます。

この記事を書いた人

今西 博昭(いまにし ひろあき) 宜野湾スポーツ接骨院 院長。柔道整復師・日本柔道整復接骨医学会 認定柔道整復師。運動器エコー観察歴19年。日本超音波骨軟組織学会 評議員。柔道整復師向けの運動器エコー教育・研究コミュニティ JET を主宰。名桜大学 非常勤講師。2023〜2024年の前距腓靭帯損傷117例の調査を学会と論文で報告しています。スタッフ紹介

参考文献

  1. Hupperets MD, Verhagen EA, van Mechelen W. Effect of unsupervised home based proprioceptive training on recurrences of ankle sprain: randomised controlled trial. BMJ. 2009;339:b2684.
  2. Gribble PA, Delahunt E, Bleakley CM, et al. Selection criteria for patients with chronic ankle instability in controlled research: a position statement of the International Ankle Consortium. J Athl Train. 2014;49(1):121-127.
  3. Doherty C, Bleakley C, Hertel J, et al. Recovery from a first-time lateral ankle sprain and the predictors of chronic ankle instability: a prospective cohort analysis. Am J Sports Med. 2016;44(4):995-1003.
  4. Hiller CE, Refshauge KM, Bundy AC, et al. The Cumberland ankle instability tool: a report of validity and reliability testing. Arch Phys Med Rehabil. 2006;87(9):1235-1241.
  5. Vuurberg G, Hoorntje A, Wink LM, et al. Diagnosis, treatment and prevention of ankle sprains: update of an evidence-based clinical guideline. Br J Sports Med. 2018;52(15):956.

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