執筆・監修:今西 博昭(宜野湾スポーツ接骨院 院長/柔道整復師/日本超音波骨軟組織学会 評議員) プロフィールを見る ▼
「仕事終わりのフットサルで足首をひねった。明日も出勤だし来週の試合にも出たい。いつから戻れる?」
社会人のフットサルや草サッカー、バスケを楽しむ20〜30代の方から多いご相談です。たくさんの研究をまとめた報告では屋内競技やコートで行う競技が最もねんざの起こりやすい種目でした【1】。フットサルとバスケはその代表です。
大人は仕事を休めず、通勤で歩き、職場では革靴や安全靴をはきます。この記事では働く世代の事情に合わせていつから・何日で・どこまで戻すかをまとめました。復帰の判断基準の基本は足首捻挫はどこまで運動していい?復帰の判断基準5つ、日数の目安は足首の捻挫の日数の目安(院内データ117例)でもくわしく解説しています。
先に答え:大人の足首のねんざ いつから復帰できる?
- いつから:仕事は内容に合わせて負担を調整しながら続けられることが多いです。競技は「全力で走って止まる・切り返す・跳ぶ」が怖さなくできて練習1回を通してこなせてからです
- 何日で:痛みは最初の2週間で大きく減るのが一般的です【2】。ただし靱帯が回復するには少なくとも6週〜3か月かかるとされ、痛みが消えた時点では靱帯はまだ回復の途中です【3】
- どこまで:痛み・足首の動きと筋力・不安感・バランス・競技動作の5つの面がそろってから試合に戻します【4】。週1回の試合は「前の週の練習で全部できた」ことを条件にします
- くり返す人:8週間のバランス練習やサポーターで再発が減ったという研究があります【5】【6】。戻った後の予防までがセットです
目 次
社会人のねんざは「仕事」と「週1回の試合」で考える
足首のねんざの多くは、足首が内側にひねられて外くるぶしの前にある靱帯(前距腓靱帯:ぜんきょひじんたい)が傷む「外側のねんざ」です【1】。外側のねんざは再発が多く、足首が不安定になる「慢性足関節不安定症」につながりやすいことが国際的な声明で問題とされています【7】。
大人のねんざが長引きやすい理由
- 翌日から仕事があり、ケガの直後に足を休ませにくい
- 通勤や立ち仕事で、腫れた足首に合わない靴をはく時間が長い
- 週1回の試合で、久しぶりに全力で動くことになる
- トレーナーがいないため、復帰の時期を自分で決めてしまう
日数だけで決めずに試合と同じ動きができるかを確かめてから戻ることが大切です。
何日で戻れる?ねんざの程度と見落としやすいケガ
大人の外側のねんざ31件の研究をまとめた報告では、痛みは最初の2週間で急に減っていました。一方で1年後も5〜33%の人に痛みが残り、3年以内に完全に回復したと答えた人は36〜85%と幅がありました【2】。靱帯のゆるみを調べた研究のまとめでは、回復には少なくとも6週〜3か月かかり、6週〜1年たっても多くの人にゆるみや不安定感が残っていました【3】。
程度によって戻る時期は変わる
| 程度 | よくある状態 | 戻り方の考え方 |
|---|---|---|
| 軽い(靱帯が伸びた) | 歩けるが外くるぶしの前が痛い 腫れは少ない | 早めに足首を動かす運動を始める |
| 中くらい(一部が切れた) | 腫れと内出血がある 歩くと痛む | テーピングやサポーターで守りながら運動を進める |
| 強い(切れた・体重がかけられない) | 大きく腫れる 体重をかけられない | 短い期間しっかり固定してから運動を始める 骨のケガがないかを確かめる |
目安です。実際の程度は触診とエコーで確かめて決めます。
オランダの診療ガイドラインでは、靱帯の傷みの程度はケガの4〜5日後にあらためて診察すると最も正確に判断しやすいとされています【8】。当院でも初日に加えて数日後にもう一度確かめます。
強いねんざで救急外来に来た584人を比べた研究では、ひざ下のギプスで10日間固定した人は弾力包帯だけの人より回復が早く、3か月後の機能もよい結果でした【9】。一方で軽い〜中くらいのねんざ101人の研究では、ケガ後1週目から運動を早めに始めた人のほうが1〜2週目の足首の機能がよく、その週の歩く時間や歩数も多くなっていました【10】。強いねんざはまず守り、軽いねんざは早めに動かす見極めが大切です。
「ただのねんざ」と思っていたら別のケガのことも
| ケガ | 痛む場所・きっかけ | 注意点 |
|---|---|---|
| 高位足関節捻挫(脛腓靱帯の損傷) | 足首の前の上のほう すねの骨の間 つま先が外を向くひねり | 普通のねんざより復帰に時間がかかりやすい |
| 骨の端がはがれる骨折 | くるぶしの先 小指側の足の付け根 | 大人でも起こる 骨を押すと一点が痛い |
| くるぶしの骨折 | くるぶしの骨そのもの | 体重がかけられない 大きく腫れる |
| 腓骨筋腱の傷み | 外くるぶしの後ろから下 | ねんざの後に長引く痛みの原因になる |
高位足関節捻挫は、312人を含む10件の研究のまとめで競技に戻るまでの平均が46.4日(15.4〜70日)、手術をしなかった場合は平均41.7日でした【11】。くわしくは高位足関節捻挫のページ、骨折との見分け方は足首の骨折のページをご覧ください。
当院では細かな触診で痛む場所をしぼり、エコーで靱帯と骨の端を確かめます。手術の所見と比べた10件の研究のまとめでは、エコーで前距腓靱帯の断裂を見分けられた正確さは0.95(ケガの直後に限ると0.92)で、高い周波数の機器と検査する人の経験が欠かせないとされています【12】。
仕事・通勤・靴はどうする?
ガイドラインでは、短い固定は痛みと腫れを和らげるのに役立つことがあり、その後はテーピングやサポーターと運動を組み合わせるのが最もよいとされています【8】。仕事中も「守りながら動かす」が基本です。
仕事の種類ごとの目安
| 仕事 | 戻る目安 | 工夫 |
|---|---|---|
| デスクワーク | 座っていて痛みが強くならなければ | 足を台にのせて心臓に近い高さに 1時間に一度足首を動かす |
| 接客・販売など立ち仕事 | 普通に歩いて痛みが強くならなければ | サポーターをつける 休憩で足を上げる 夕方の腫れを見る |
| 現場作業・安全靴 | 段差や不整地を歩いても痛まず不安感がなければ | テーピングの上から靴ひもを締め直す はしごや足場は慎重に |
革靴・安全靴・通勤の工夫
- 革靴:腫れている間はひもで調整できる靴が楽です。かかとが高い靴は避けましょう
- 安全靴:傾いた足場でひねりやすいので、テーピングをして足首まわりのひもをしっかり締めます
- 通勤:腫れが強い数日は歩く距離を減らし、階段よりエレベーターを使います
週1回の試合に戻る判断と戻し方
外側のねんざからの復帰について、155人の専門家が話し合って作った国際的な合意では、復帰を決めるときに確かめることを5つの面にまとめています【4】。当院でもこの5つで試合に戻れるかを判断します。
- 痛み:プレー中と、その後24時間に足首の痛みが強くならない
- 足首の動きと筋力:しゃがむ・つま先立ちなどで足首の曲がりや力に左右差がない。片脚のかかと上げを反対側と同じくらいの回数できる
- 本人の安心感:「またひねりそう」という怖さや不安感がない
- バランス:片脚立ちや、片脚で立って反対の脚を前や斜め後ろにのばす動きが左右同じくらいできる
- 競技の動き:片脚ジャンプ・全力ダッシュからの急停止・切り返しができ、練習1回を最後まで通してこなせる
初めて外側のねんざをした82人を1年間追いかけた研究では、ケガから2週間の時点で片脚の着地や台から降りてのジャンプができなかったことが、その後の慢性足関節不安定症を予測する手がかりでした【13】。跳ぶ・着地する練習は後回しにせず段階的に入れることが大切です。
週1回の試合までの戻し方
1つの段階を痛みと腫れが増えずにこなせたら次へ進みます。
- 早歩き・ゆっくりジョグ:仕事帰りに10〜15分
- ジョグからのダッシュ:まっすぐ走る強さを少しずつ上げる
- ステップと切り返し:横への動き・ジグザグ走・急停止
- ジャンプと着地:両脚→片脚。前後・左右に跳んで止まる
- ボールを使った練習:パス・シュート・ドリブル
- 練習試合や短い出場時間:いきなりフル出場せず時間を区切る
試合の前の週に確かめること
前の週に「全力ダッシュ・急停止・切り返し・片脚ジャンプ」をして、その日と翌朝に痛みや腫れが増えなければ出場を考えてよい目安です。迷うときは当院で確かめてください。平日21時まで受付しているので仕事帰りでも間に合います。くり返すねんざ癖とテーピング・サポーター
先ほどの研究のまとめでは、再びねんざをした人は3年以内で最大34%、自分で不安定さを感じる人は質の高い研究で0〜33%でした【2】。くり返すねんざで足首がぐらつく状態は「慢性足関節不安定症」と呼ばれ、活動量の低下や将来の足首の変形性関節症にもつながるとされています【7】。何度もひねっている方は今回を機会に予防まで取り組みましょう。捻挫ぐせ(足首の不安定症)のページもご覧ください。
バランス練習は8週間続ける
外側のねんざをした12〜70歳の522人を比べた研究では、通常のケアに加えて自宅で8週間のバランス練習をした人の1年間の再発は22%で、しなかった人の33%より少なくなりました。再発の危険は35%減っています【5】。最初のねんざで医療機関にかからなかった人で特に効果が目立ち【5】、自分で様子を見がちな社会人ほど取り入れる価値があります。自宅でできるやり方は足首がグラグラする・ひねり癖の自宅でできる5段階のバランス練習で紹介しています。
サポーターとテーピングの使い分け
18〜70歳の384人を比べた研究では、競技中に硬めのサポーターを12か月つけたグループの再発は15%で、自宅トレーニングだけのグループの27%より少ない結果でした【6】。まとめ研究を整理した報告でも、再発予防にはサポーターに強い根拠があり、運動によるトレーニングにも中くらいの根拠がありました【14】。ガイドラインでも有効な選択肢とされています【8】。
- サポーター:自分で着け外しでき毎回同じ状態で使えるのが社会人向きです
- テーピング:足首に合わせて細かく調整できます。最初は当院で巻き方をお伝えします
- どちらも:つけていれば鍛えなくてよいわけではありません。バランス練習と組み合わせるのが基本です【8】
仕事帰りでも通える当院でできること
- 触診とエコーで痛む場所をしぼる:靱帯や骨の端を指で細かく確かめます。エコーで靱帯の状態と骨の端がはがれていないかを左右で見比べます。エコーでの観察は別料金なしです
- 程度に合わせた固定と守り方:強いねんざは短い期間しっかり固定し、軽いねんざは守りながら早めに動かします。仕事の靴に合わせた巻き方もご提案します
- 骨のケガへの対応:骨折が疑われるときは応急の固定をして、連携する整形外科へその日のうちにおつなぎします。骨の端がはがれる骨折には、医師の同意のもとでLIPUS(骨折用の超音波治療器)を使うことがあります
- 復帰までの運動:足首の動きと筋力から片脚のバランス、ジャンプと切り返しまで段階的に進めます。週1回の試合に合わせた計画も一緒につくります
健康保険の扱いは来院時にご説明します。当院は宜野湾市伊佐にあり、駐車場があります。受付は平日 10:00〜14:00/16:00〜21:00、土日祝 10:00〜13:00/14:00〜17:00(水曜午前は休み)です。仕事帰りや週末の試合の後にもご相談いただけます。夜や週末のケガについては宜野湾で夜・土日祝にケガをしたらもご覧ください。
すぐに相談してほしいサイン
- 体重をかけられない 痛くて足をついて歩けない
- くるぶしの骨や足の外側の付け根を押すと一点が強く痛む
- 足首の前の上のほう(すねの骨の間)が痛む つま先が外を向くようにひねった
- 足先がしびれる 冷たい 色が悪い
- 何度もねんざをしていて 歩くだけでぐらつく
- 週末に試合があり 出てよいか迷っている
当院ではその場で触診とエコーで状態を確かめ、骨折が疑われるときは応急の固定をして連携する整形外科へその日のうちにおつなぎします。最初の窓口は当院で大丈夫です。ケガで困ったら、まず宜野湾スポーツ接骨院へご相談ください。
よくあるご質問
Q. 足首のねんざは何日でフットサルや草サッカーに戻れますか?
Q. ねんざをしても仕事は休まなくて大丈夫ですか?
Q. 何度も足首をひねります。ねんざ癖は防げますか?
Q. テーピングとサポーターはどちらがいいですか?
Q. 仕事帰りや土日でも見てもらえますか?
関連ページ
試合に出ていいか迷ったら 出る前にご相談ください
宜野湾スポーツ接骨院(沖縄県宜野湾市伊佐)では、触診とエコーで足首の靱帯と骨の端を確かめ、仕事と試合に戻る時期と戻し方をご提案します。必要なときは連携する整形外科へその日のうちにおつなぎします。
受付時間:平日 10:00〜14:00/16:00〜21:00 土日祝 10:00〜13:00/14:00〜17:00(水曜午前は休み)
駐車場あり
参考文献
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