執筆・監修:今西 博昭(宜野湾スポーツ接骨院 院長/柔道整復師/日本超音波骨軟組織学会 評議員) プロフィールを見る ▼
「うちの子 ケガが多いけど体のどこに原因があるの?」「同じところを何度も痛める」「ケガがよくなったあと 練習に戻って大丈夫か不安」
部活やスポーツをがんばる子どもの保護者の方、大人の競技者の方からよくいただくご相談です。ケガは運が悪くて起きるだけではなく、体の硬さ・筋力の左右差・着地のくせ・足の使い方などが重なって起きやすくなります。
宜野湾スポーツ接骨院では、こうした「ケガにつながりやすい体の特徴」を前もって見つけて改善につなげるフィジカルチェックを行っています。このたび内容を見直し、計測機器と改善メニューのつながりを強化しました。この記事では、フィジカルチェックで分かること・チェックの流れ・競技や年代ごとに見るポイント・受ける時期をまとめます。
先に答え:フィジカルチェックとは?
- 柔軟性・関節の動く範囲・筋力・バランス・動作のくせ・足の使い方・体成分を数字と動きで確かめ、ケガにつながりやすい弱点を見つける当院のケガ予防メニューです
- 使う機器はInBody(体成分)・Foot Scan(足裏の圧)・3D足型計測XPOD・超音波エコー(キヤノン Aplio a)。成長期の骨や軟骨の状態もエコーで観察します
- 結果はレポートにまとめ、リハサク(自宅運動アプリ)・セミトレ・パーソナルトレーニングの改善メニューにつなげ、再チェックで変化を確かめます
- ケガ予防の運動を続けた子どもや10代の選手ではケガがおよそ半分に減ったという研究のまとめがあります【1】
- 料金は1回6,600円(税込・自費)、所要時間は約60分です。シーズン前・長期休み明け・ケガからの復帰前がおすすめの時期です
目 次
フィジカルチェックで分かること
フィジカルチェックでは、ひとつの数値だけで判断せず、計測機器の数字・柔道整復師が見る動き・エコーで観察する体の中を組み合わせて全身を確かめます。左右差や、年代・競技ごとの目安と比べるのがポイントです。
| 見る項目 | 確かめ方 | 分かること |
|---|---|---|
| 柔軟性・関節の動く範囲 | 肩・肘・股関節・足首などの角度を測る | 硬いところ 左右差 投げる・蹴る動きに足りない動き |
| 筋力 | 体幹・お尻・太もも・肩まわりなどの筋力テスト | 弱いところ 左右のバランス |
| バランス | 片脚立ち・片脚での動き | ふらつきやすさ 足首をひねりやすい傾向 |
| 動作のくせ | スクワット・ジャンプの着地・競技別の動き | 膝が内側に入る 腰が丸まるなど負担がかかりやすい動き |
| 足の使い方 | Foot Scan(足裏の圧) | 立つ・歩くときの体重のかかり方 左右差 |
| 足の形 | 3D足型計測XPOD | 土踏まずの高さ かかとの傾き 足の長さと幅 |
| 体成分 | InBody | 筋肉量と脂肪量 部位ごとの筋肉の左右差 |
| 成長期の骨・軟骨 | 超音波エコー(キヤノン Aplio a) | 肘・膝・かかとなど成長軟骨の様子 痛みが出る前の変化 |
当院のエコーは、運動器エコーの観察歴19年の院長が担当します。痛みがまだ出ていない段階の変化に気づけることがあるのがエコーの強みです。足の形の計測については3D足型計測XPODとは、エコーで分かることは沖縄・宜野湾でエコーのある接骨院でくわしく紹介しています。
チェックの流れ
フィジカルチェックは約60分です。次の順番で進めます。
- 問診:競技・ポジション・練習量・これまでのケガ・いま気になっていることをうかがいます
- 計測:InBody・Foot Scan・3D足型計測XPODで体成分と足を数字で記録します。関節の動く範囲や筋力も測ります
- 動作チェック:スクワット・片脚立ち・ジャンプの着地など、競技に合わせた動きを確かめます。必要に応じてエコーで成長期の骨や軟骨、以前痛めたところを観察します
- 結果の説明:その場で数字や画面をお見せしながら、ケガにつながりやすいところと優先して取り組むことをお伝えします
- レポート:結果をまとめたレポートを後日お渡しします。保護者の方やチームの指導者と共有するときにもお使いください
- 改善メニュー:自宅でできるストレッチや運動をリハサクでお渡しします。少人数で続けたい方はセミトレ、マンツーマンで取り組みたい方はパーソナルトレーニングをご案内します
- 再チェック:時間をおいて同じ条件で測り直し、変化を確かめてメニューを見直します
料金と服装
フィジカルチェックは1回6,600円(税込・自費)で、所要時間は約60分です。改善メニューの料金は料金ページをご覧いただくか、お問い合わせください。足や膝の動きを見るため、ひざ上までまくれる動きやすい服装でお越しください。ケガ予防について研究で分かっていること
ケガ予防の運動には、研究で効果が報告されています。
- 子ども・10代の選手:19歳未満の選手約2万7千人を含む21の研究をまとめた報告では、ケガ予防の運動プログラムを行ったグループでケガがおよそ半分(0.54倍)に減っていました。ジャンプや着地の練習を含むプログラムで効果が大きく、シーズン前でもシーズン中でも同じように役立っていました【1】
- 筋力トレーニング:25の研究(約2万6千人)をまとめた報告では、筋力トレーニングでスポーツのケガが3分の1以下に減り、使いすぎのケガもおよそ半分に減りました。一方でストレッチだけでは予防の効果ははっきりしませんでした【2】
大切なのは、チェックを受けて終わりにしないことです。体力テストの数字ひとつで「この子は来月ケガをする」と言い当てることは研究でも難しいとされています【3】。だからこそ当院のフィジカルチェックは、弱点を見つけるだけでなく、一人ひとりに合った運動に落とし込み 再チェックで変化を確かめるところまでをひとつの流れにしています。
競技・年代別にみるポイント
同じフィジカルチェックでも、競技や年代によって重点的に見るところが変わります。
野球
肩の回る範囲の左右差・股関節の内側へのひねり・背中の丸まり・肘の状態を中心に見ます。中高生の野球選手2,433人の肘をエコーで調べた日本の研究では、3.4%に肘の外側の軟骨の障害(離断性骨軟骨炎)が見つかりました。痛みがない選手の中に見つかることもあります【4】。また8〜11歳の選手がストレッチと筋力トレーニングを続けた研究では、肘の内側のケガがおよそ半分に減り、肩の回る範囲や股関節の動き、背中の姿勢が良くなった選手ほどケガが少なくなっていました【5】。野球肘については野球肘は早期発見がカギもご覧ください。
サッカー
股関節の硬さ・足首の動き・片脚でのバランス・切り返しや着地の動きを見ます。13歳未満の子ども約3,900人を対象にした研究では、準備運動を子ども向けのケガ予防プログラム(11+ Kids)に替えたチームでケガが48%少なく、続けた回数が多いほど効果が大きくなっていました【6】。
バスケットボール・バレーボール
ジャンプの着地で膝が内側に入らないか・足首をひねった経験・片脚バランスを重点的に見ます。高校のサッカーとバスケットボールの選手765人の研究では、バランス練習を行ったグループで足首の捻挫が少なく、以前に捻挫をしたことがある選手は捻挫のしやすさが約2倍でした【7】。また12〜17歳の女子選手4,564人の研究では、体幹・バランス・膝の向きを意識した15分の準備運動で前十字靭帯のケガが64%少なくなりました【8】。足首をくり返しひねる方は足首がグラグラする・ひねり癖の直し方も参考にしてください。
陸上(短距離・長距離)
足の形と足裏の圧・ふくらはぎや太ももの硬さ・片脚での安定性を見ます。XPODで土踏まずの高さとつぶれやすさを、Foot Scanで体重のかかり方の左右差を確かめます。練習量を急に増やすと筋肉や腱のケガが増えやすく、少しずつ積み上げた体はケガをしにくいと報告されています【9】。チェックの結果は練習量の増やし方を考える材料にもなります。すねの痛みについてはシンスプリントと疲労骨折 いつから走れる?をご覧ください。
成長期(小学校高学年〜中学生)
身長が急に伸びる時期は、骨の成長に筋肉の伸びが追いつかず体が硬くなりやすい時期です。膝のお皿の下(オスグッド病)・かかと(シーバー病)・腰(腰椎分離症)・肘などに負担がかかりやすくなります。当院ではエコーで成長軟骨の様子を観察し、太ももの前やふくらはぎの硬さと合わせて確かめます。子どもの腰の痛みについては子どもの腰痛 分離症かも?でも解説しています。
大人の競技者・ケガをくり返す人
以前のケガは、次のケガの大きな手がかりです。スウェーデンのトップリーグのサッカー選手を2シーズン追った研究では、前のシーズンにケガをした選手は次のシーズンにケガをするリスクが約2.7倍で、太ももの裏・股関節の付け根・膝のケガは同じ場所をくり返しやすいことが分かっています【10】。InBodyでの筋肉量の左右差や、以前痛めたところのエコーでの状態も確かめ、再発しにくい体づくりにつなげます。
結果を生かす改善メニュー
- リハサク(自宅運動アプリ):チェックの結果に合わせたストレッチや運動を、動画つきでスマートフォンにお送りします。自宅で続けやすく、保護者の方も内容を確かめられます
- セミトレ(少人数の運動教室):柔道整復師が少人数を指導し、姿勢・体幹・ストレッチの習慣づけを行います。くわしくは宜野湾の子ども運動教室「セミトレ」をご覧ください
- パーソナルトレーニング:マンツーマンで、競技やケガの状態に合わせたトレーニングを行います。くわしくはパーソナルトレーニングのページをご覧ください
いま痛みがある場合は、まず痛みのある場所の状態を確かめて施術を優先し、落ち着いてから再発予防としてチェックや改善メニューに取り組みます。
こんな人におすすめ
- 部活やスポーツをがんばっていて ケガが多い子ども(小学生・中学生・高校生)
- 同じところを何度も痛めている
- ケガからの復帰前に 体が戻っているか確かめたい
- 身長が急に伸びて 体が硬くなってきた
- 姿勢や走り方 足の使い方が気になる
- 大会やシーズンに向けて 自分の弱点を知りたい大人の競技者
定期的に受ける目安
- シーズン前・新チームが始まる前:練習量が増える前に弱点を見つけておくと、準備の時間がとれます
- 夏休み・冬休みなど長期休み明け:休み中に落ちた筋力や柔軟性を確かめ、練習の戻し方を考えます
- ケガのあと 競技に戻る前:痛めたところの状態と、左右差がどこまで戻っているかを確かめます。ケガごとの目安はケガ別・部活に戻れるまでの目安一覧もご覧ください
- 改善メニューを始めて数か月たったころ:同じ条件で測り直し、変化を数字で確かめます
- 成長期で身長が急に伸びているとき:硬さや成長軟骨の様子を記録しておくと変化を比べられます
よくあるご質問
Q. フィジカルチェックの料金と時間はどのくらいですか?
Q. 子どもでも受けられますか?
Q. いま痛いところがあっても受けられますか?
Q. 結果はもらえますか?
Q. どのくらいの間隔で受けるとよいですか?
Q. 予約は必要ですか?
ケガをくり返す前に 体の弱点を確かめましょう
宜野湾スポーツ接骨院(沖縄県宜野湾市伊佐)のフィジカルチェックは1回6,600円(税込・自費)・約60分。InBody・Foot Scan・3D足型計測XPOD・エコーで体を確かめ、自宅でできる改善メニューまでご提案します。
受付時間:平日 10:00〜14:00/16:00〜21:00 土日祝 10:00〜13:00/14:00〜17:00(水曜午前は休み)
〒901-2221 沖縄県宜野湾市伊佐2-7-11
参考文献
- Rössler R, et al. Exercise-based injury prevention in child and adolescent sport: a systematic review and meta-analysis. Sports Med. 2014;44(12):1733-48. PMID: 25129698
- Lauersen JB, Bertelsen DM, Andersen LB. The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Sports Med. 2014;48(11):871-7. PMID: 24100287
- Bahr R. Why screening tests to predict injury do not work-and probably never will…: a critical review. Br J Sports Med. 2016;50(13):776-80. PMID: 27095747
- Kida Y, et al. Prevalence and Clinical Characteristics of Osteochondritis Dissecans of the Humeral Capitellum Among Adolescent Baseball Players. Am J Sports Med. 2014;42(8):1963-71. PMID: 24944293
- Sakata J, et al. Efficacy of a Prevention Program for Medial Elbow Injuries in Youth Baseball Players. Am J Sports Med. 2018;46(2):460-469. PMID: 29095655
- Rössler R, et al. A Multinational Cluster Randomised Controlled Trial to Assess the Efficacy of ’11+ Kids’: A Warm-Up Programme to Prevent Injuries in Children’s Football. Sports Med. 2018;48(6):1493-1504. PMID: 29273936
- McGuine TA, Keene JS. The effect of a balance training program on the risk of ankle sprains in high school athletes. Am J Sports Med. 2006;34(7):1103-11. PMID: 16476915
- Waldén M, et al. Prevention of acute knee injuries in adolescent female football players: cluster randomised controlled trial. BMJ. 2012;344:e3042. PMID: 22556050
- Gabbett TJ. The training-injury prevention paradox: should athletes be training smarter and harder? Br J Sports Med. 2016;50(5):273-80. PMID: 26758673
- Hägglund M, Waldén M, Ekstrand J. Previous injury as a risk factor for injury in elite football: a prospective study over two consecutive seasons. Br J Sports Med. 2006;40(9):767-72. PMID: 16855067













