執筆・監修:今西 博昭(宜野湾スポーツ接骨院 院長/柔道整復師/日本超音波骨軟組織学会 評議員) プロフィールを見る ▼
「すねの内側が痛くて走るのを休んでいる。いつから走っていい?」
マラソンや駅伝に向けて走り込んでいる方、部活で走る量が増えた中高生からよくいただくご相談です。すねの痛みで多いのはシンスプリントですが、同じ場所に疲労骨折が隠れていることもあり、どちらかで「走っていい時期」が大きく変わります。
この記事では、当院で使っている走り始めてよいかの判断基準と、走る量を戻していく順番をまとめました。
先に答え:いつから走れる?
- シンスプリント:痛みの強さで変わりますが、走る量を減らしながら数週間で戻れることが多いです。完全に休むより「痛みが出ない量」で続けることもあります
- すねの後ろ内側の疲労骨折:走るのを止めて骨がつくのを待つ必要があり、多くは数か月単位です
- すねの前側の疲労骨折:治りにくいタイプで復帰が長引くことが知られています。早めの見極めが大切です【1】
- どれに当たるかは押して痛む範囲・片脚ジャンプ・エコーでの骨の表面で見分けます。迷ったら走る前にご相談ください
シンスプリントと疲労骨折の見分け方
どちらも「走るとすねが痛い」のは同じですが、痛み方に違いがあります。
| チェック | シンスプリントで多い | 疲労骨折で多い |
|---|---|---|
| 押して痛む範囲 | すねの内側に沿って広く(5cm以上) | 骨の一点がはっきり痛い |
| 走り始め | 痛いが温まると少し楽になることがある | 走るほど痛みが強くなる |
| 片脚ジャンプ | できるが違和感がある | 一点に響いて続けられない |
| 安静時・夜 | 痛みは少ない | 歩くだけで痛い 夜もうずく |
ただしこれは目安で、両方が同時に起きていることもあります。疲労骨折は初期のレントゲンでは写らないことが多く、当院ではエコーで骨の表面の盛り上がりや周りの腫れを確かめます。MRIと比べた研究でも、エコーは脚の疲労骨折を見つける手がかりになると報告されています【2】。
シンスプリントそのものについてはシンスプリントのページ、疲労骨折は疲労骨折のページでくわしく説明しています。
走り始めてよいかの判断基準5つ
当院では、次の5つがそろったら「走り始めてよい」と判断しています。
- 普通に歩いて痛くない:日常生活で痛みが出ない
- 押しても痛くない:痛かった場所を押しても強い痛みがない
- 片脚ジャンプが痛くない:痛い側の脚で連続10回跳んでも響かない
- エコーで落ち着いている:骨の表面の変化や周りの腫れが落ち着いている
- 翌朝に痛みが残らない:前の日に歩いたり軽く動いたりしても 朝の痛みが増えていない
1つでも当てはまらない場合は、もう少し待つか、走る量を減らします。「痛みが少し引いたから」と元の量で走ると、ぶり返して休む期間がかえって長くなります。
走る量を戻す順番
走り始めたら、次の順番で少しずつ戻していきます。1つの段階を2〜3回痛みなくこなせたら次へ進みます。
- 早歩き 20〜30分
- 歩き+ゆっくりジョグ(1分ジョグ・1分歩くを繰り返す)
- ゆっくりジョグを続けて 10分→20分→30分
- 距離を伸ばす(1週間の距離は前の週の1割増しくらいまで)
- スピード練習・坂道は最後に戻す
痛みのルール
走っている間や走った後の痛みが10段階で2〜3まで、翌朝には消えているなら、その段階を続けてかまいません。それより強い痛み、翌朝まで残る痛みが出たら1つ前の段階に戻ります。骨の一点に響く痛みが出たら、走るのを止めてご相談ください。
走れない間も、自転車・プール・上半身や体幹のトレーニングで心肺機能を保てます。大会が近い方は、練習計画も一緒に考えます。NAHAマラソンに向けた準備はNAHAマラソンまでに足と膝を整えるもご覧ください。
早く戻るために当院でできること
- エコーで骨と周りの状態を確認:疲労骨折かどうかを見極め、走ってよい時期の判断に使います
- 体外衝撃波:長引くシンスプリントに使っています。長引くシンスプリントの選手に自宅での運動と衝撃波を組み合わせた研究では、1年3か月後に元のレベルで競技に戻れたのが47人中40人で、運動だけのグループ(47人中22人)を上回りました【3】。当院では1部位3,980円(エコー観察込み・自費)です
- LIPUS:疲労骨折では骨がつくのを助ける目的で使うことがあります
- 足と走り方の見直し:足のアーチ・靴・ふくらはぎや股関節の硬さ・着地の仕方を確かめ、自宅でできる運動をお伝えします
体外衝撃波については沖縄・宜野湾で体外衝撃波を受けられる接骨院、駅伝・マラソンシーズンの疲労骨折については沖縄の駅伝・マラソンシーズンに多い疲労骨折とシンスプリントでもくわしく紹介しています。
すぐに相談してほしいサイン
- 骨の一点を押すと強く痛む
- 歩くだけで痛い 夜もうずく
- すねの前側(スネの骨の前面)が痛む
- 休んでも痛みが引かない 何度もぶり返す
- 大会が近く 走ってよいか判断に迷っている
当院ではエコーでその場で状態を確かめ、骨折や手術の相談が必要と考えられる場合は連携する医療機関へおつなぎします。最初の窓口は当院で大丈夫です。平日は21時まで、土日祝も受付しているので、練習や仕事のあとにもご来院いただけます。
よくあるご質問
Q. シンスプリントは完全に休まないと良くなりませんか?
Q. 疲労骨折はレントゲンで分かりますか?
Q. 大会まで1か月ですが、間に合いますか?
Q. 仕事のあとや土日でも見てもらえますか?
走っていいか迷ったら 走る前にご相談ください
宜野湾スポーツ接骨院(沖縄県宜野湾市伊佐)では、エコーでシンスプリントと疲労骨折を見極め、走り始める時期と練習の戻し方をご提案します。
受付時間:平日 10:00〜14:00/16:00〜21:00 土日祝 10:00〜13:00/14:00〜17:00(水曜午前は休み)
参考文献
- Robertson GA, Wood AM. Return to sports after stress fractures of the tibial diaphysis: a systematic review. Br Med Bull. 2015;114(1):95-111. PMID: 25712999
- Syrop I, et al. Comparison of Ultrasonography to MRI in the Diagnosis of Lower Extremity Bone Stress Injuries: A Prospective Cohort Study. J Ultrasound Med. 2022;41(11):2885-2896. PMID: 35316862
- Rompe JD, et al. Low-energy extracorporeal shock wave therapy as a treatment for medial tibial stress syndrome. Am J Sports Med. 2010;38(1):125-32. PMID: 19776340













