先に結論
- 肩こり・腰痛は痛みの出どころ(筋肉・関節・神経など)によって対処が変わります
- 腰痛の人を状態に合わせて分けて施術した方が、経過が良かったという大規模な研究があります【1】
- ごくまれに骨折などの見逃してはいけない原因が隠れています。最も多かったのは背骨の骨折でした【2】
- 当院では問診・動き・神経の検査・触診・必要に応じたエコーで見立ててから施術し、変化を測り直します
同じ肩こり・腰痛でも原因は人それぞれ
「ずっと肩がこっている」「腰が重い」。どちらもよくある悩みですが、同じ言葉でも中身は人によって違います。肩こりに見えて首の神経が関わっていることもあれば、腰痛に見えて股関節やお尻の関節が痛みの出どころになっていることもあります。
腰痛の多くは、レントゲンやMRIで「ここが原因」と一つに決めにくい非特異的腰痛と呼ばれるものです【3】。だからといって「よくある腰痛だから同じ対処でいい」わけではありません。どの動きで痛むのか・神経の症状はあるか・生活や仕事でどこに負担がかかっているかを確かめることで、その人に合った対処が見えてきます。
見極めが大切な3つの理由
1. 見逃してはいけない原因を除外するため
かかりつけの医療機関を腰痛で受診した1,172人を調べた研究では、骨折やがんなどの重い原因が見つかったのは0.9%で、そのうち最も多かったのは背骨の骨折でした【2】。まれではありますが、ゼロではありません。高齢の方の圧迫骨折や、成長期のお子さんの腰椎分離症(腰椎分離症)のように、年齢によって注意すべきものも変わります。
2. 分けて対処すると経過が良くなるため
イギリスで腰痛の851人を対象に行われた研究では、最初の評価で回復しにくさの度合いを分けて施術の内容を変えたグループの方が、4か月後・12か月後の腰の機能の改善が大きく費用も抑えられていました【1】。首の痛みについても、米国の診療ガイドラインは「動きの制限」「腕に広がる痛み」「頭痛をともなうもの」などに分けて対処を選ぶことをすすめています【4】。
3. 施術の効果を確かめられるため
最初に「どの動きで・どれくらい痛いか」を記録しておくと、施術のあとに同じ動きで比べられます。変化が出ていれば続け、出ていなければ方法を見直す。見極めは最初の1回だけでなく、通うたびに続くものです。
肩こり・腰痛の中に隠れていることがあるもの
肩こり・腰痛と感じていても、次のような原因が関わっていることがあります。どれに当てはまるかで、施術の方法や運動の選び方が変わります。
| よくある原因 | 特徴 | 当院で確かめること |
|---|---|---|
| 筋肉や筋膜の負担 | 長時間の同じ姿勢・使いすぎのあとに重だるい | 姿勢・動き・押して痛む場所 |
| 首の神経の圧迫 | 腕や手にしびれ・痛みが広がる | 首を動かす検査・反射・筋力・感覚(首から腕のしびれ) |
| 肩の関節や腱の傷み | 腕を上げると痛い・夜にうずく | 肩の動き・筋力・必要に応じてエコー(腱板損傷) |
| 腰の神経の圧迫 | お尻から脚へのしびれ・痛み | 脚を上げる検査・反射・筋力(腰椎椎間板ヘルニア) |
| お尻の関節(仙腸関節) | 腰の下・お尻の片側が痛い | 仙腸関節の検査(仙腸関節の痛み) |
| 骨の問題 | 子どもの運動時の腰痛・高齢の方の急な腰痛 | 年齢と痛み方・押した痛み。疑わしい時は医療機関へ |
ぎっくり腰や寝違いのように急に痛くなったものは、筋肉や関節の傷みとしてケガに近い扱いになります(腰痛・ぎっくり腰・寝違い)。
当院の評価の流れ
医療機関での検査が必要と考えられる時は、連携する医療機関におつなぎします。当院のエコーについては「エコー(超音波)で何が分かる?」をご覧ください。
すぐに相談してほしいサイン
次のような時は、通常の肩こり・腰痛と考えずに早めにご相談ください。くわしくは「危険な腰痛のサイン「レッドフラッグ」」でも解説しています。
- 安静にしていても痛む・夜も眠れないほど痛む
- 発熱をともなう・理由のわからない体重減少がある
- がんの治療を受けたことがある
- 転んだ・しりもちをついたあとから急に痛い(特に高齢の方)
- 胸の痛みや息苦しさ・冷や汗をともなう左肩の痛み
手足にはっきりしたしびれや力の入りにくさがある・尿や便が出にくい・漏れるといった時は、まずお電話ください。その場で受診先をご案内します。胸の痛みや息苦しさがある時は、ためらわずに救急(119番)へ連絡してください。
健康保険について
接骨院で健康保険が使えるのは、ぎっくり腰や寝違いのように原因がはっきりした急な痛み(捻挫・挫傷など)です。原因がはっきりしない慢性の肩こり・腰痛は健康保険の対象外となり、自費の施術になります。どちらに当たるかは、最初の評価でご説明します。くわしくは「接骨院の保険が使えるケガ・使えない症状の一覧」をご覧ください。
肩こり・腰痛も、まずは痛みの出どころを一緒に確かめるところから始めます。平日21時まで・土日祝も受付しています。
よくある質問
Q. 肩こりや腰痛で接骨院に行ってもいいですか?
A. はい。当院では問診・動きの確認・神経の検査・触診・必要に応じたエコーで痛みの出どころを確かめてから施術します。医療機関での検査が必要と考えられる時は、連携する医療機関におつなぎします。
Q. レントゲンで異常なしと言われた腰痛にも意味がありますか?
A. あります。腰痛の多くは画像で原因を一つに決めにくいものですが、どの動きで痛むか・神経の症状があるかを確かめることで、その人に合った施術や運動を選べます。
Q. なぜ毎回痛みや動きを確かめるのですか?
A. 施術の効果を確かめるためです。同じ動きで比べて変化が出ていれば続け、出ていなければ方法を見直します。
Q. 肩こりや腰痛に健康保険は使えますか?
A. ぎっくり腰や寝違いのように原因がはっきりした急な痛みは対象になることがあります。原因がはっきりしない慢性の肩こり・腰痛は健康保険の対象外で、自費の施術になります。
Q. すぐに病院へ行くべき腰痛はありますか?
A. 手足にはっきりしたしびれや力の入りにくさがある、尿や便が出にくい・漏れる時はまずお電話ください。安静にしても痛む、発熱がある、転んだあとから急に痛い時も早めにご相談ください。
Q. エコーで肩こりや腰痛の原因が分かりますか?
A. エコーは原因を探す手段の一つです。筋肉の傷みや肋骨の骨折、肩の腱の傷みなどを確かめられることがあります。問診や動き・神経の検査とあわせて判断します。
参考文献
- Hill JC, Whitehurst DG, Lewis M, et al. Comparison of stratified primary care management for low back pain with current best practice (STarT Back): a randomised controlled trial. Lancet. 2011;378(9802):1560-1571.
- Henschke N, Maher CG, Refshauge KM, et al. Prevalence of and screening for serious spinal pathology in patients presenting to primary care settings with acute low back pain. Arthritis Rheum. 2009;60(10):3072-3080.
- Maher C, Underwood M, Buchbinder R. Non-specific low back pain. Lancet. 2017;389(10070):736-747.
- Blanpied PR, Gross AR, Elliott JM, et al. Neck pain: revision 2017. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(7):A1-A83.













