症状
外反母趾(足の親指の付け根の痛み)
外反母趾の痛みは、靴と足の使い方の見直しから
「足の親指の付け根が出っぱってきて、靴に当たって痛い」「母親も外反母趾だった。私も手術になるの?」「親指の付け根だけでなく、足の裏にもタコができて痛い」――。外反母趾(がいはんぼし)は、とくに女性に多い足の悩みです。
先にお伝えすると、外反母趾は珍しいものではなく、痛みの多くは靴の見直しや足の使い方の工夫で軽くできる可能性があります。ただし、靴やインソール、運動で親指の曲がりそのものを元に戻すことは難しく【9】、痛みが続いて生活に困る場合は、整形外科で手術について相談する選択肢もあります【10】【13】。
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来院前に「どちらに行けばよいか」「この症状で診てもらえるのか」といったご質問も、電話・公式LINEで承っています。「これくらいで行ってもいいのかな」という段階でも、相談だけのご来院でかまいません。
【外反母趾とは?】
外反母趾は、足の親指(母趾:ぼし)が小指の方向へ曲がり、親指の付け根の関節(第1中足趾節関節:だいいち ちゅうそくしせつかんせつ)が内側に出っぱってくる状態です。出っぱった部分は英語で「バニオン」と呼ばれ、靴に当たって赤くなったり、痛んだりします。
曲がりの程度は、立った状態のレントゲンで、足の甲の骨(第1中足骨)と親指の骨がつくる角度「外反母趾角(HV角)」で表します。基準は研究によって異なりますが、この角度が15度を超えると外反母趾とされることが多いです【2】【6】。外反母趾かどうかや重症度の判断は、レントゲンをもとに医師が行います。

【どのくらい多いの?なりやすい人は?】
世界の研究をまとめた解析(約50万人分)では、外反母趾は18〜65歳の成人の約23%、65歳以上の約36%にみられ、女性(約30%)は男性(約13%)の2倍以上でした【1】。日本の約1,500人を調べた研究でも、全体の23.5%(女性31.6%、男性13.3%)にみられ、女性では年齢とともに増えていました【2】。
なりやすさに関わる要素として、次のようなものが報告されています。
・女性であること、年齢が高いこと【1】【2】【3】
・遺伝(家族に外反母趾の方がいる):家系を調べた研究で、外反母趾は遺伝の影響が大きいとされています【4】
・靴:つま先の細い靴やハイヒールとの関連が報告されています。日本の研究では、20代にハイヒールをよく履いていた人に外反母趾が多くみられました【2】【3】
・足の骨の形(第1中足骨が長い、骨の開きが大きいなど)【5】や、扁平足【3】
ただし、これらの多くは「関連がある」という調査結果で、靴だけが原因と言い切れるわけではありません【5】。いくつかの要素が重なって起こると考えられています。
【こんな症状はありませんか?】
・親指の付け根の内側が出っぱり、靴に当たって痛む、赤くなる
・合う靴が見つからない、見た目が気になる
・人差し指(第2趾)の付け根の足裏にタコ(胼胝:べんち)ができて痛む
・足の指の付け根の足裏が痛む(中足骨頭部痛:ちゅうそくこっとうぶつう)
・人差し指が曲がる、浮く、親指と重なる
外反母趾があると、足の指の付け根の足裏にタコができやすいことが知られています【7】。また、外反母趾の方の人差し指の付け根では、関節を支える組織(足底板:そくていばん)の傷みや関節のぐらつきが比較的よくみられ、足裏の痛みがある方ではその割合が高かったと報告されています。進むと人差し指の関節が脱臼することもあります【8】。
【強直母趾(きょうちょくぼし)との違い】
親指の付け根が痛む病気には、「強直母趾(ハルックス・リジダス)」もあります。これは親指の付け根の関節の軟骨がすり減る変形性関節症で、足の関節症の中で最も多いとされています【14】。
・外反母趾:親指が小指側に曲がり、付け根の「内側」が出っぱって靴に当たって痛む
・強直母趾:関節が硬くなって親指を反らしにくくなる。付け根の「甲側」に骨の出っぱりができ、歩くときの蹴り出しやしゃがむ動作で痛む
対応が異なるため、区別がつかない場合は整形外科での検査をおすすめします。
【手術しない方法(保存療法)の研究は?】
手術以外の方法を調べた研究をまとめた報告(18研究)では、インソール(足底板)、夜間装具、テーピング、運動などで痛みが軽くなったという研究はあるものの、多くは小規模で、全体としての確かさは低いとされています。また、親指の角度が良くなるよりも、痛みが軽くなる可能性のほうが高いとまとめられています【9】。
・靴の見直し:つま先に余裕があり、足の幅に合う靴を選ぶことで、出っぱりへの圧迫を減らします。靴と外反母趾の関連は報告されていますが【2】【3】、靴を変えれば変形が治るという研究はほとんどありません
・インソール(足底板):フィンランドの研究では、痛みが6か月の時点で軽くなりましたが、1年後には手術を受けた方ほどの改善はありませんでした。短期的に症状をやわらげる方法と考えられます【10】
・指の間に挟むパッド(トゥセパレーター)や装具:外反母趾に広く使われていますが、研究の種類や使い方がまちまちで、効果をはっきりさせるにはさらに研究が必要とされています【11】
・足の運動:運動療法で親指の角度がわずかに改善した、テーピングやインソールとの組み合わせで痛みが軽くなったという解析がありますが、小規模な研究が中心で、質の高い研究による確認が必要です【12】
どの方法も「曲がりをまっすぐに戻す」ものではなく、痛みを減らし、歩きやすくすることが主な目的です。
【手術はどんなときに考える?】
靴の工夫などを続けても痛みで歩きにくい、生活や仕事に支障があるといった場合は、整形外科で手術について相談する選択肢があります。
痛みのある外反母趾の方209人(平均48歳、93%が女性、HV角35度以下)を、手術・インソール・1年間の経過観察の3つに分けたランダム化比較試験では、1年後に「良くなった」と感じた人は、手術が83%、インソールが46%、経過観察が24%で、痛みの改善も手術が最も大きいという結果でした【10】。手術に関する研究をまとめたコクラン・レビューでも、手術は痛みを軽くする可能性があるとされていますが、根拠の確かさは低く、合併症や再手術の可能性については十分に分かっていないとされています【13】。
見た目だけを理由に急ぐものではないため、メリットとリスクを主治医とよく相談してください。
【こんな場合は医療機関へ】
次のような場合は、外反母趾以外の病気が隠れていたり、早めの治療が必要だったりすることがあります。当院ではなく、まず医療機関を受診してください。
・親指の付け根が急に赤く腫れ、熱をもって強く痛む(痛風や感染などの可能性)
・発熱をともなう、傷口から膿が出ている
・糖尿病がある方で、タコや靴ずれが傷(潰瘍:かいよう)になっている、足の色が悪い
・足の指のしびれや感覚の鈍さがある
・関節リウマチなど、ほかの関節も腫れている
・痛みで歩けない、変形が急に進んだ
【当院での施術・サポート】
当院では、外反母趾の「曲がりを治す」ことをうたうのではなく、痛みの出ている負担を減らし、歩きやすい足づくりをサポートします。
①問診と観察
痛む場所、いつから・どんな靴や動作で痛むか、仕事や競技の内容をお聞きし、足の形、タコの位置、親指の動きなどを観察します。必要に応じてエコー(超音波画像)で痛む部分の状態を観察し、評価の参考にします。強直母趾や上記の危険なサインが疑われる場合は、整形外科をご案内します。
②フィジカルチェック(6,600円)
footscan(フットスキャン)で歩いたときの足裏の圧のかかり方を、Sportip(スポーティップ)で姿勢や動作を、InBody(インボディ)で体組成を評価します。親指の付け根や人差し指の付け根に圧が集中していないかなど、足の使い方の特徴を確認します。
また当院では、足趾筋力計を使った「足の指の力(足趾把持力:そくしはじりょく)」の測定も行っています(通院中の方が対象です)。詳しくはブログ足の指の力の測定についてをご覧ください。
③足・足の指の筋力トレーニング
外反母趾の方は親指の筋力が弱く、目を閉じて立ったときのふらつきがやや大きい傾向が報告されているため【6】、足の指を広げる運動、足裏の小さな筋肉を使う運動、ふくらはぎのトレーニングなどを指導します。セミパーソナル/パーソナルトレーニングや、自宅運動アプリ「リハサク」で継続をサポートします。
④靴や生活のアドバイス
靴の選び方・履き方、長時間の立ち仕事や運動量の調整についてアドバイスします。

【自宅でできること】
・つま先に余裕があり、足の幅に合う靴を選ぶ。ひもやベルトで足を固定し、靴の中で足が前に滑らないようにする
・ハイヒールやつま先の細い靴を履く時間を減らす
・足の指をグーパーする、親指を内側(足の中心側)に開くように意識して動かす
・かかと上げ(カーフレイズ)で、足指で床を押す感覚を練習する
運動で親指の角度が大きく変わるわけではありませんが【9】【12】、足の筋力や使い方を整えることは、痛みの軽減や歩きやすさにつながる可能性があります。痛みが強くなる運動は無理に続けないでください。
【よくある質問】
Q. 外反母趾は運動やインソールで治りますか?
A. 研究では、手術以外の方法で痛みが軽くなる可能性はありますが、親指の曲がりをまっすぐに戻すことは難しいとされています【9】【10】。目標は「痛みを減らし、快適に歩けること」と考えるのがよいでしょう。
Q. 親が外反母趾です。子どもにも遺伝しますか?
A. 外反母趾は遺伝の影響が大きいと報告されています【4】。家族に外反母趾の方がいる場合は、若いうちから足に合った靴を選ぶことを意識するとよいでしょう。
Q. 親指の付け根が急に真っ赤に腫れました。外反母趾の悪化ですか?
A. 急な赤み・腫れ・熱感・強い痛みは、痛風や感染などの可能性があります。早めに医療機関を受診してください。
【関連するコラム・ページ】
・足の使い方の癖がわかる!『Foot Scan』について
・最善のケガ予防!!フィジカルチェックって何?
・扁平足
・足底腱膜炎
【迷ったときは、相談だけでもどうぞ】
「これくらいで受診してもいいのかな」「整形外科と接骨院のどちらに行けばいいのか分からない」という段階でも、遠慮なくご相談ください。
当院では、問診と身体の検査、必要に応じてエコー(超音波画像診断装置)での観察で状態を確かめ、接骨院で対応できる状態かどうかをはっきりお伝えします。レントゲンやMRIなどの検査、手術や注射の相談が必要と考えられる場合は、症状に合った医療機関・専門の医師をご紹介します。
相談だけのご来院でもかまいません。お電話・公式LINEでも受け付けています。
【関連する症状ページ】
・扁平足
・足底腱膜炎(足の裏の痛み)
・有痛性外脛骨(足の内側の出っ張りの痛み)
・モートン病(足の指の付け根のしびれ)
ご予約・ご相談は、公式LINEまたはお電話(098-975-9074)で承っています。
【参考文献】
1) Nix S, et al. Prevalence of hallux valgus in the general population: a systematic review and meta-analysis. J Foot Ankle Res. 2010;3:21.
2) Matsuoka M, et al. Epidemiology and risk factors of hallux valgus in Japanese population: HAPPI study. J Orthop Sci. 2026;31(2):380-386.
3) Zhang G, et al. Determinants and associated factors for hallux valgus: a systematic review and meta-analysis. BMC Musculoskelet Disord. 2026;27(1):647.
4) Hannan MT, et al. High heritability of hallux valgus and lesser toe deformities in adult men and women. Arthritis Care Res (Hoboken). 2013;65(9):1515-1521.
5) Nix SE, et al. Characteristics of foot structure and footwear associated with hallux valgus: a systematic review. Osteoarthritis Cartilage. 2012;20(10):1059-1074.
6) Nix SE, et al. Foot pain and functional limitation in healthy adults with hallux valgus: a cross-sectional study. BMC Musculoskelet Disord. 2012;13:197.
7) Murahashi Y, et al. Relationship between plantar callosity and foot deformity in hallux valgus using weightbearing computed tomography. J Foot Ankle Surg. 2021;60(6):1207-1211.
8) Shima H, et al. Ultrasonography-based quantitative evaluation of second metatarsophalangeal joint instability in female patients with hallux valgus. Foot Ankle Int. 2024;45(7):737-745.
9) Hurn SE, et al. Effectiveness of nonsurgical interventions for hallux valgus: a systematic review and meta-analysis. Arthritis Care Res (Hoboken). 2022;74(10):1676-1688.
10) Torkki M, et al. Surgery vs orthosis vs watchful waiting for hallux valgus: a randomized controlled trial. JAMA. 2001;285(19):2474-2480.
11) Krześniak H, et al. Toe separators as a therapeutic tool in physiotherapy: a systematic review. J Clin Med. 2024;13(24):7771.
12) Zhu Z, et al. Effects of exercise combined with external support on hallux valgus angle and pain: a systematic review and network meta-analysis. Foot Ankle Surg. 2026;32(3):199-212.
13) Dias CG, et al. Surgical interventions for treating hallux valgus and bunions. Cochrane Database Syst Rev. 2024;7(7):CD013726.
14) Ho B, et al. Hallux rigidus. EFORT Open Rev. 2017;2(1):13-20.
症状
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成長期の肘や膝の骨軟骨障害
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坐骨・お尻の下が痛むハムストリング付着部の痛み
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足の指の付け根のしびれ・焼けるような痛み
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外反母趾(足の親指の付け根の痛み)
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成長期の痛み オスグッド
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